市政 City Administration
e-むらづくり事業における情報センター設備移動費について
 
住民監査請求監査の概要(全文はこちら
1 請求日 平成20年1月31日

2 請求の要旨

  (1)請求の内容
   
 e-むらづくり事業における情報センター設備の移設費17,705,603円は、市長が支払う措置をとるよう求めます。
 IRU契約を将来締結するという予約の関係が成立しているのであれば、市が損害を受けているので、情報センター設備の移設費をA社に対して請求するよう求めます。
 
IRU契約とは関係当事者すべての合意がない限り、契約を破棄したり終了させることができない永続的な回線使用権を認める契約の形態のことです。
     
  (2)請求の理由
     市長は、e-むらづくり事業において、情報センター設備を基本合意書やIRU契約を締結しないまま、A社の社屋に設置しました。A社とのIRU契約締結の交渉が決裂した結果、市長は情報センター設備を移設し、その移設費17,705,603円を支出しました。契約締結の交渉が決裂することも視野に入れて事業の推進を図るのが市長の責任であるのに、この責任を怠ったことによる情報センター設備の移設費の支出は、違法又は不当です。

3 監査の結果
  (1)監査委員の判断
     請求には一部理由があると認め、市長に情報センター設備の移設費について損害額を確定し、平成20年6月30日までにA社に対して損害賠償請求権を行使するよう勧告しました。
 また、監査を行った結果、是正すべき事項が認められましたので、市長に意見を提出しました。
 
  (2)判断の理由
     確認された事実から、IRU契約を締結する前に、情報センター設備をA社に設置する必要性があったことが認められ、そのことについて市とA社との間に合意が成立していたことが推認されますから、当該設備をA社に設置したことについては合理的な理由があり、市長の裁量権の範囲内であることが認められます。
 また、市はA社を光情報通信網等の貸出先として内定しており、IRU契約の締結について予約関係にあったこと、A社は市が出資を行っている第三セクターであり信頼関係にあったことなどから、市長がIRU契約締結の交渉が決裂することを予測することは困難であり、これを予測しなければならない特段の事由もなかったというべきです。
 したがって、IRU契約締結の交渉が決裂した結果、市がA社の要求により情報センター設備を移設したことについてはやむを得ない措置であり、市長に過失があったとは認められません。
 また、当該設備の移設費の支出についても、市長が議会に報告をしながら実施したものであり、議決された予算に基づき執行されていますから、違法又は不当であるということはできません。
 IRU契約締結の交渉が決裂した直接の原因は、A社が市の要望により当初提案になかったサービス料金525円のコースを設定し、結果として当該コースに視聴者の契約が集中したことによって収入見込額が当初計画の3分の1にダウンしたことによりますが、当初の提案募集の仕様書によると、光情報通信網等の貸出しはIRU契約によることが前提であったのですから、A社は、IRU契約料を支払える範囲内でサービス料金を決定すべきであったといえます。
 また、当該サービス料金のコースを設定した後、A社が提出した収支予想は大幅な赤字であり、当初計画と比較すると人件費が極端に増加したものとなっていますから、A社には、IRU契約締結に向けての企業努力が見られず、信義に従い誠実に交渉しようとする態度が見受けられません。
 したがって、IRU契約締結の交渉が破綻した原因は、A社の信義則上の義務違反によることになります。
 その結果、市はA社に設置していた情報センター設備を移設せざるを得なくなったのですから、市にはこの移設に要する費用の全部又は一部に相当する額の損害が生じており、これにより市は、A社に対して損害賠償請求権を有することになりましたが、市長はこれを行使していません。
 市において、A社に対して損害賠償請求権を有していると認められる以上は、これを行使しないことを正当化し得るような特段の事情でもない限りは、その不行使は違法というべきことになりますが、市長は、IRU契約の締結に関する交渉が決裂した原因がA社にあると主張した上で、情報センター設備の移設に要する予算を議会に提案しているのですから、その費用の全部又は一部に相当する額が市の損害になることを認識し得たのであり、その費用を支出した以後には市の損害額を確定し、A社に対する損害賠償請求権を行使することができたというべきです。
 したがって、A社に対する損害賠償請求権を行使しないことに合理的な理由はありませんので、監査日現在においても同請求権を行使していないことは、不当に財産の管理を怠っているものと判断せざるを得ません。

勧告に対する措置状況の概要(全文はこちら
  1 市長からの通知日 平成20年6月2日及び同年7月2日
  2 措置の内容
   
(1) 情報センター設備の移設費についての損害額の確定について
 情報センター設備の移設に伴う損害額を17,063,888円と確定します。
(2) A社に対する損害賠償請求権の行使について
 市は、IRU契約締結の交渉の破綻に伴い、情報センター設備の移設に伴う損害のほかIRU契約の相手方の再募集に伴う損害を被ったとして、上記情報センター設備の移設費についての損害額と当該再募集に伴う損害額(206,190円)との合計額17,270,078円をIRU契約締結の交渉の破綻に伴う市の損害額とし、平成19年12月26日にA社から提起され係属中であります損害賠償等請求事件と併合して審理する反訴を平成20年6月30日に提起し、同社に損害賠償を請求しました。
 
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