市政 City Administration
町内会長報酬の支出等について
 
住民監査請求監査の概要(全文はこちら
1 請求日 平成19年12月12日

2 請求の要旨

  (1)請求の内容
   
 市長等に対し、平成18年度に支出した町内会長報酬45,517,000円の全額又は一部を市に返還させることを求めます。
 町内会に加入している住民(以下「町内会員」という。)に広報紙等の配布を無償で行わせたことにより生じた労務負担上の損害を賠償することを求めます。
 広報紙等の配布、ごみボックスの使用その他一切の市民としての権利を、町内会への加入の有無をもって不当に奪わないことを求めます。
 
  (2)請求の理由
   
 市長が非常勤の特別職として町内会の会長に辞令を交付し、その権限に属する事務の一部を委嘱したことに対して支出している報酬は、次の理由により、財務会計上違法かつ不当です。
(ア)  市長が、住民の任意団体である町内会の代表に市の業務を委嘱することは、町内会を市の末端組織とみなしており、地方自治法の趣旨に反します。
(イ)  市長が町内会長に委嘱した広報紙等の配布は、町内会長以外の町内会員が行っており、市の財政に多年にわたり委嘱業務の不履行による損害を発生させています。これは、民法上の不法行為に当たります。
 市は、実際に広報紙等の配布を行っている町内会員に対し、労務負担上の対価を支払わず、多大な損害を与えています。これは、民法上の不法行為に当たり違法です。
 市は、町内会に加入していない住民に対し、広報紙等を配布しておらず、一部地域においては市所有のごみボックスを使用させない事実があります。これは、住民の任意団体である町内会への加入の有無をもって差別を行うものであり、地方自治法の趣旨に反し違法です。

3 監査の結果
  (1)監査委員の判断
     請求には理由がないと認め、棄却しました。
 なお、2(1)イ及びウについては、住民監査請求の対象となる財務会計上の行為ではなく、市に損害が生じているとも認められないので、監査の対象にはしませんでした。
 また、監査を行った結果、是正すべき事項が認められましたので、市長に意見を提出しました。
 
  (2)判断の理由
     地方自治法の規定により、地縁による団体は、住民の自主的な意思に基づき、自主的な活動を行う住民組織として位置付けられるべきであり、普通地方公共団体の長の下部組織として組み込まれることを禁止しているものと解されています。
 町内会が、この「地縁による団体」であることは明らかです。
 広報紙など、市の行政施策その他について記載された印刷物を配布する業務は、市の事務ですから、その事務を委嘱された町内会長は、委嘱された事務を行う限りにおいて、市長から指揮監督を受けます。
 しかしながら、町内会は、自らが事業主体となって地域住民のための事業を独自に行っているのであり、町内会長は町内会の総会において選ばれ、その活動は町内会員のためにされているのですから、市長が町内会長を選んでいるわけではなく、また、町内会長としての活動を指揮監督しているものでもありません。
 このような町内会の主体性及び独自性並びに町内会長の選任及び活動の実態からすれば、町内会長に市の事務の一部を委嘱することが、地方自治法の趣旨に反し違法であるということはできません。
 地方自治法は、「普通地方公共団体は、……非常勤の職員に対し、報酬を支給しなければならない。」とし、その報酬については、「勤務日数に応じてこれを支給する。ただし、条例で特別の定めをした場合は、この限りでない。」と規定しています。五島市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償条例は、このただし書に基づき、町内会長報酬は年額とすると定めています。
 そして、当該条例は、年の中途における就任、任期満了、辞職、退任、解任若しくは死亡の場合のほかは、町内会長報酬を増額又は減額することができる旨の規定を置いていませんから、町内会長が市長から委嘱された事務をまったく遂行しない場合は別として、その事務の一部を遂行しないことがあったとしても、これを理由に当該報酬を支給しないものとしたり、減額支給したりすることはできず、市に損害が生じるということはありません。
 広報紙等の回覧文書の配布に関する業務については、請求人が主張するとおり一部の町内会において町内会長自らが各町内会員の住宅まで配布していない事実が認められますが、少なくとも町内会長は班ごとの仕分け及び各班長、当番等への配布を行っている事実が認められ、その他の業務については、町内会長がこれらの業務をまったく遂行していないという事実は認められません。したがって、町内会長報酬の支給が違法又は不当な支出であるということはできません。
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