1.バラモン凧

更新日:2019年2月20日

(1)バラモン凧はどうやってつくられるのかな?

  • 骨組(ほねぐ)みを作る

    1 骨組(ほねぐ)みを作る
    竹ひごとナイロン糸でつくる。竹の節(ふし)に気をつけながらバランスよく曲げていく。ナイロン糸はひもに比べて強くて、結(むす)んだときの丸みが小さくてよい。

  • 布(ぬの)を貼(は)る

    2 布(ぬの)を貼(は)る
    小さい凧(たこ)は紙でもよいが、大きい凧(たこ)になると強い布(ぬの)の方がよい。
    3 下絵を描(えが)く。
    墨(すみ)を使う。基本的(きほんてき)な図柄(ずがら)( 裏兜(うらかぶと))を中心に、希望(きぼう)に応(おう)じて描(えが)いている。

  • 色つけをする

    4 色つけをする
    染料(せんりょう)を使う。空へ揚(あ)げたときに光を通し、色が鮮(あざ)やかになる。

(2)1つの凧を作るのにどれくらいの時間がかかるの?

1メートルサイズだと、 約(やく)1日かかります。普段(ふだん)は、1つの凧(たこ)を一人で作ってしまうわけではなく、2から3人で作業を分担(ぶんたん)しています。

(3)一番大きい凧はどれくらい?

一番大きい凧

今までで作った一番大きいものは、長さが4メートル30センチメートルの凧(たこ)です。昭和49年(1974年)に作りましたが、今も長崎市(ながさきし)の龍安寺(りゅうあんじ)というところに飾(かざ)っています。そのお寺の和尚(おしょう)さんに作って欲しいと頼(たの)まれました。もともと、そのお寺にあったものが壊れたので、それと同じものを作りたかったようです。
五島で作りましたが、荷物として長崎(ながさき)へは送れなかったので、2人で持って運びました。フェリーの甲板にのせ、港からお寺まで歩いて運びました。風で飛(と)ばされそうになったり、道行く人に珍(めずら)しそうに見られたり、とてもたいへんでした。東京に送ったときは、折(お)りたたみ式(しき)にしたこともありました。現在は、右の写真のように段(だん)ボールで包んで、運送屋さんに送ってもらいます。

(4)凧にはどんな種類があるの?

  • 写真5
  • 写真6

5種類あると言われています。

  1. バラモン凧(だこ)
  2. 日の出鶴(つる)
  3. こうもり凧(だこ)
  4. みな凧(だこ)
  5. みそこし凧(だこ)(詳細(しょうさい)は不明(ふめい))

現在(げんざい)作っているのは、バラモン凧(だこ)と日の出鶴凧(づるだこ)です。

(5)バラモン凧にはどんな意味があるの?

元気者に育って欲(ほ)しいという願(ねが)いがこめられています。昔は、旧暦(きゅうれき)の3月3日、節句(せっく)の日に各家々がその願(ねが)いをこめて凧(たこ)を揚(あ)げ合ったそうです。5月の節句(せっく)の日には、風が安定せず、凧(たこ)が揚(あ)がりにくかったので、3月の節句(せっく)にしたと言われています。
今は、揚(あ)げるだけではなくて、魔除(まよ)けとして玄関(げんかん)や座敷(やしき)においたり、飾(かざ)りとして土産(みやげ)にしたりしています。

(6)大変なところはどんなところですか?

凧(たこ)づくり職人(しょくにん)さんの話

作る時に苦労(くろう)するところがいくつかあります。
1つ目は、竹ひごを曲げるときです。節(ふし)の場所を考えてゆっくりと曲げます。特(とく)に円を作るときは、バランスが悪くなりやすいので、丁寧(ていねい)に曲げていきます。
2つ目は、色つけです。布(ぬの)に色を付(つ)ける時、散(ち)ってしまうことがあります。慎重(しんちょう)に色つけをして、散(ち)らないようにします。細かいところの色つけにも気を遣(つか)いますね。