株式会社道脇農園 代表 道脇実喜夫さん(平成30年12月掲載)
更新日:2019年2月19日
農地を守り、地域を守る
火ノ岳のふもとに広がる、五島灘を望む場所が道脇さんの仕事場。
農家で生まれ育ち、子どもの頃から手伝っていた農業を、自然と将来の仕事として考えるようになっていました。
長崎県立農業経営大学校(現:長崎県立農業大学校)を卒業後、会社勤めを経て始めた農業は、今年で23年目。13ヘクタールの農地で、葉たばこを中心に、ばれいしょや高菜、スナップエンドウ、麦などを栽培しています。
農業は、収穫という喜びがある一方で、台風などの自然災害で育てた作物が被害に遭うこともあり、苦労が絶えない仕事です。しかし、「苦労も含め毎年変化があること、それにどう対応していくか考えることも農業の楽しみのひとつ」と前向きな道脇さん。
平成25年7月、経営を法人化するため、株式会社道脇農園を設立。将来に向け規模拡大や経営の安定を見据え、農作物の生産だけではなく加工品の製造・販売など6次産業も展開していきたいとの思いがありました。
法人化や規模拡大の原動力になっているのが、後継者の存在です。今春、長男の大輝さんが父と同じ農業大学校を卒業し、五島に帰ってきました。「跡を継いでほしい気持ちはあったけど、苦労も多い仕事。『農業をする』と聞いた時は、本当にうれしかった」と照れくさそうに話す道脇さん。
農業に精力的に取り組める理由に、奥様の千恵子さんの存在もあります。「文句も言わず一緒に作業をしてくれる。感謝の言葉しかない」。千恵子さんには機械を使った作業をさせないそうで、理由を聞くと「怪我をされたら困るから。大事にしないと」。多くは語りませんが、奥様を大切にされていることが分かる言葉です。
仕事以外でも、消防団や福江神楽など地域活動に積極的に参加。
祖父に教えられた「農家は農地を守る=地域を守る」の信念を胸に、先祖代々受け継がれてきた農地を次世代に引き継いでいくため、日々農業に取り組んでいます。
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