国指定無形民俗文化財「下崎山町のヘトマト行事」
更新日:2022年7月20日
令和2年1月19日、今年もこの季節がやってきました。知る人ぞ知る奇祭「へトマト」の開催です。さて、いったいどんなお祭りなのでしょうか。
起源の説としては、牛の供養、捕鯨を行っていた頃の鯨の供養、沖縄から伝わった等いろいろあるようですが、はっきとしたことは分かっていません。
まずは相撲からスタート。神社の境内に裸にふんどし姿の屈強な男が続々と現れ、立派な土俵で相撲をとります。闘うのは中学生、親子、一般の飛び入り参加と幅広く、大人はお酒を飲みながら楽しそうに、子どもたちは寒さに負けず元気に取り組みます。見物客は時に歓声をあげながらそれを見守り大盛り上がり。
相撲が終わると神社から町なかへ移動します。次は、その年に結婚した女性が綺麗な着物を身にまとい、俵の上で羽根つきを行います。
羽根つきが終わると、ふんどし姿の青年達が、「へぐら」と呼ばれる魔除けのススを塗り合います。見物客にも塗りに来て、子どもからお年寄りまでみんな真っ黒。
見物客の顔がみんなススだらけになったところで、男たちの玉蹴り(玉せせり)が始まります。赤組と白組と分かれ、敵陣地まで大きな球を運ぶのですが、藁でできた球は男たちによって投げられ蹴られいろんなところに飛んで行きます。昔は、これで鯨の配分を決める勝負をしていたそうですが、今はそういう意味では行っておらず、伝統行事として受け継がれているそうです。
玉せせり、綱引きが終わると、メインイベント「大草履」が始まります。
稲で編んだ大草履を男たちが担ぎ、道すがら女性を捕まえて上に乗せ、飛び跳ねるように担ぎ上げます。未婚の女性が担がれると運があがるとの噂もあり、この日もたくさんの女性がわらじと共に空高く持ち上げられていました。通りを進み切ると、わらじを白浜神社に奉納し、祭は終わりを迎えます。この一連の行事が、たくさんの笑顔溢れる奇祭「へトマト」です。
(取材:ライターグループfumoto)
玉せせりの様子1
玉せせりの様子2
綱引きの様子
大草履に乗せられた女性
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