世界禁煙デー・禁煙週間「受動喫煙のない社会を目指して~私たちができることをみんなで考えよう」
更新日:2025年5月31日
みなさん、「世界禁煙デー」(World No-Tobacco Day)をご存じですか?世界保健機関(WHO)が禁煙を推進するために定めた国際デーの一つで、1989年5月31日に制定されました。5月31日の「世界禁煙デー」から1週間が「禁煙週間」とされ、日本でも禁煙や受動喫煙防止に関する啓発活動が行われています。
2025年のテーマは「受動喫煙のない社会を目指して ~私たちができることをみんなで考えよう~」です。
世界禁煙デーや禁煙週間を利用して、タバコの煙を避けることの大切さ、禁煙を推奨する環境づくり、喫煙に関する正しい知識を学ぶなど、未来のあなたにありがとうと言ってもらえる選択ができるよう、たばこのことついて家族や地域の人々と話し合い、理解を深める機会にしてほしいのです。
たばこによる健康被害
たばこの煙には5,300種類以上の化学物質や70種以上の発がん物質が含まれており、吸っている人だけでなく周囲の人々の健康にも悪影響を及ぼします。
三大有害物質
- ニコチン
血管を収縮させ、血液の流れを悪くします。タバコ依存症を引き起こします。 - タール
発がん性物質や発がんを促進する物質を含んでいます。 - 一酸化炭素
体を酸欠状態にし、動脈硬化や心疾患の引き金になります。
健康被害
日本では、喫煙に関連する病気で亡くなった人は年間で12~13万人と推定されています。喫煙は肺がんをはじめとし、ほとんどの部位のがんの原因になると言われており、喫煙によるがん死亡者は年間がん死亡者の4分の1とも言われています。また、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞疾患(COPD)などの呼吸器疾患といった様々な病気の原因にもなります。
国内の調査では、20歳よりも前に喫煙を始めると、男性は8年、女性は10年も短命になることがわかっています。一時の息抜きのための喫煙は、自分の寿命を削る行為なのです。
五島市における主な死因は「がん」「心疾患」です。喫煙の影響も少なからずあると考えられます。
喫煙との因果関係が明らかな病気
- がん
肺、口腔・咽頭、喉頭、鼻腔・副鼻腔、食道、胃、肝、膵、膀胱、子宮頸部、肺がん患者の生命予後悪化、がん患者の二次がん罹患など - 循環器の病気
虚血性心疾患、脳卒中、腹部大動脈瘤、末梢動脈硬化症 - 呼吸器の病気
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸機能低下、結核による死亡 - 糖尿病
2型糖尿病の発症 - その他
歯周病、ニコチン依存症、妊婦の喫煙による乳幼児突然死症候群(SIDS)、早産、低出生体重・胎児発育遅延
(出典)厚生労働省「喫煙と健康喫煙の健康影響に関する検討会報告書」
COPD(シーオーピーディー)とは
「COPD」とは、Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの略で、慢性閉塞性肺疾患という病気のことをいいます。原因の約90%はたばこの煙といわれており、重症化すると少し動くだけでも息切れしてしまい、生活に大きな影響を及ぼします。
日本では約530万人を超える患者がいると言われており、毎年1万人を超える方がCOPDで死亡しています。しかし、あまり知られていない病気であることから、治療を受けているのは約22万人と95%以上の人は適切な治療を受けていません。
以下の症状に思い当たる方はCOPDの可能性があります。特に喫煙歴が10年以上ある人、40代以上の人はリスクが高いので、早めに医療機関を受診しましょう。
- 一日に何度もせきがでる
- 息切れしやすい
- 呼吸をするとゼイゼイ、ヒューヒューと音がする
- 黄色や粘り気のあるたんがでる
たばこの受動喫煙
受動喫煙とは、喫煙者のたばこから立ち上る煙、または喫煙者の吐く息に含まれる煙にさらされることです。喫煙者が直接吸い込む煙を「主流煙」と呼ぶのに対し、たばこから立ち上る煙を「副流煙」、喫煙者の吐く息に含まれる煙を「呼出煙」と呼びます。
副流煙には、発がん性物質、ニコチン、一酸化炭素などの有害物質が主流煙の数倍も含まれています。受動喫煙との関連が確実とされた病気として、脳卒中、虚血性心疾患、肺がん、乳幼児突然死症候群(SIDS)等があげられます。日本では、受動喫煙が原因で、これらの病気により年間約1万5千人が死亡していると推計されます。
子どもへの影響
受動喫煙で特に問題になるのは子どもや妊婦への影響です。子どもは自らの意思で、受動喫煙を避けることが困難です。子どもの生命と健康を守るため、周囲の大人たちが、子どもをたばこの煙から保護することが大切です。
赤ちゃんへの影響
気道の炎症が生じやすくなり、肺炎などの呼吸器疾患への罹患及び重症化のリスクを増加させます。
乳幼児突然死症候群(SIDS)との相関があると認められており、受動喫煙による年間死亡数推計値は73人にものぼります。
子どもへの影響
鼻水や咳、たん等の呼吸器症状を引き起こします。
肺炎、気管支炎、気管支ぜんそく等の疾患のリスクが増加します。また、呼吸器疾患以外にも中耳炎や虫歯になりやすくなると言われています。
禁煙補助薬について
ニコチンガム
ガムを噛むことで口の中の粘膜からニコチンを吸収し禁煙時のイライラや集中困難などの症状を緩和します。薬局・薬店などで購入できます。
ニコチンパッチ
皮膚に貼り、ニコチンを皮膚から吸収させ、禁煙時のイライラ、集中困難などの症状を緩和します。健康保険が使えます。
バレニクリン
ニコチンは含まない飲み薬です。ニコチンの作用を遮断し、喫煙の習慣性を抑えます。健康保険が使えます。
禁煙による効果
禁煙に遅すぎることはありません。「禁煙は性別・年齢・喫煙による病気の有無に問わず、すべての人々に大きくかつ迅速な健康改善をもたらす」と言われています。30歳までに禁煙すれば、元々喫煙しなかった人と同様の余命が期待できることや、50歳で禁煙しても6年長くなることがわかっています。
また、禁煙がうまくいかなくても、チャレンジを繰り返すことも意味があるのです。
禁煙期間 | 効果 |
---|---|
禁煙の効果20分後 | 血圧と脈拍が正常値まで下がる。手足の温度が上がる。 |
8時間後 | 血中の一酸化炭素濃度が下がり、酸素濃度が上がる。 |
24時間後 | 心臓発作の可能性が少なくなる。 |
数日後 | 味覚や嗅覚が改善する。歩行が楽になる |
2週間~3か月後 | 心臓や血管など、循環機能が改善する。 |
1~9か月後 | せきや喘息が改善する。スタミナが戻る。 気道の自浄作用が改善し、感染を起こしにくくなる。 |
1年後 | 肺機能の改善がみられる。 |
2~4年後 | 虚血性心疾患のリスクが、喫煙を続けた場合に比べて35%減少する。 脳梗塞のリスクも顕著に低下する。 |
5~9年後 | 肺がんのリスクが喫煙を続けた場合に比べて明らかに低下する。 |
10~15年後 | 様々な病気にかかるリスクが非喫煙者のレベルまで近づく。 |
(出典)健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~
生活習慣病などの情報喫煙禁煙の効果
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