議案(和解及び損害賠償額の決定について)に対する債権保全措置義務違反及び求償権の確保を求める措置請求
更新日:2025年12月12日
公表日
令和7年12月5日
結果
却下
監査結果の詳細
請求日
令和7年12月1日
請求の要旨
請求の理由
- ア 五島市が令和7年12月議会に提出する「議案第123号和解及び損害賠償額の決定について」(以下「本件議案」という。)に基づき、元職員の故意による不法行為に起因する和解金(5,800万円)を市一般会計から支出する行為は、地方自治法に違反し、または著しく不当である。
- イ 本件和解金支出に至る一連の過程は、市民に対する説明責任と住民参加の理念を軽視し、訴訟上の主張との整合性を欠いたまま、議会の審議権を実質的に制約して高額な公金支出を決定するものであり、地方自治法第242条第1項が予定する「公金の支出」の適否の観点から見て、違法又は少なくとも著しく不当である。
- ウ 元職員の不正引出しという「故意」による不法行為であり、国家賠償法(昭和22年法律第125号)第1条第2項に基づき、市には求償権を行使する実務上の義務がある。この義務を放棄し懈怠する行為は、「財産の管理を怠る行為」に該当する。
請求の内容
- ア 本件和解金5,800万円の支出について、元職員に対する求償債権について十分な債権保全措置(担保の確保又は強制執行認諾条項付公正証書の作成等)が講じられるまで、その支出手続を行わないこと。
- イ 元職員に対する求償権行使について、速やかに具体的な回収計画(履行期限、支払方法、担保等)を策定・実行し、求償債権の全額回収を確保するための債権保全措置を講じること。
- ウ 今後、住民に責任のない公金支出を行う場合には、その判断過程や公金支出の理由等について住民に対する説明の機会を確保するため、住民説明会その他の措置を実施することを内容とする再発防止策を策定すること。
監査の結果
監査委員の判断
請求の内容を法律上の要件に照らして審査しました結果、次の理由により不適法であるので却下しました。
判断の理由
1 違法又は不当な公金の支出について
住民監査請求は、財務会計上の違法又は不当な職員の行為により当該地方公共団体に財産的損失を生じ、又は生じるおそれのある場合において、当該行為の執行を未然に防止すること、又は当該行為を是正することを目的としてなされるものです。
本件請求書によると、請求人は本件議案が議決されることを前提に和解金の支出の可能性についての財務会計上の行為が違法又は不当であると主張しているものと解しました。
財務会計上の行為の違法性又は不当性を主張するには、当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合も含まれますが、本件議案は令和7年12月3日開会の令和7年12月五島市議会定例会に上程されましたが、現時点において議決に至っておらず、本件議案に付随する補正予算も同じく議決されていません。
このような状況においては、財務会計上の行為が相当の確実さをもって予測される場合とは認められませんでした。
2 怠る事実について
請求人は、市による求償権の放棄を財産の管理を怠る行為と主張しているものと解しました。
請求人が主張する求償権は、本件議案の可決後、和解が成立し、市が和解金を支払ったときに初めて生じるものですから、請求人が主張する事実は認められませんでした。
3 住民説明会その他の措置を実施することを内容とする再発防止策の策定について
地方自治法第242条第1項に規定する財務会計上の行為及び怠る事実のいずれにも該当しないと判断しました。
4 結論
以上のとおり、本件請求は、地方自治法第242条に規定する住民監査請求の要件を欠いており、不適法であると判断しました。
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このページに関する問い合わせ先
監査委員事務局 監査係
郵便番号:853-8501
長崎県五島市福江町1番1号(本庁舎)
直通電話:0959-72-6152
ファクス番号:0959-74-1994(代表)
