令和6年度財政援助団体等監査結果報告(株式会社JAごとう食肉センター)
更新日:2025年3月7日
公表日
令和7年2月26日
監査結果
監査の対象
対象団体及び所管部局
- 対象団体 株式会社JAごとう食肉センター(公の施設の指定管理者)
- 所管部局 産業振興部(農林課)
対象項目
令和5年度の五島食肉センター(以下「食肉センター」という。)の管理に係る出納その他の事務の執行及び指定管理者の指定手続
監査の主な実施内容
監査の実施に当たっては、あらかじめ対象団体及び所管部局から財務関係資料、関係帳簿及び証拠書類の提出を求め、その内容について審査し、疑義不明の事項について対象団体及び所管部局の職員から説明を聴取し、監査を実施した。
なお、監査に伴い、公認会計士の専門的知識、経験等を活用し、監査機能の充実・強化を図るため、監査支援業務を委託し、公認会計士によるリスクや問題点に関する報告を参考にして、監査委員による監査を実施した。
監査の結果
上記のとおり監査した限りにおいて、次の指摘事項及び指導事項を除き、監査の対象となった公の施設の指定管理者の当該財政的援助に係る出納その他の事務の執行が当該財政的援助の目的に沿って行われていることが認められた。
指摘事項 | 講じた措置 |
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ア 利用料金の承認について 利用料金については、地方自治法第244条の2第9号及び五島市五島食肉センター条例(平成16年五島市条例第179号)第8条第2項の規定により、あらかじめ市長の承認を得なければならないが、管理業務を実施する指定期間において承認を受けていないので、適正な事務処理に努められたい。 |
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イ 申請書等の様式について 利用の許可の申請その他食肉センターの利用に係る申請書等の様式については、五島市五島食肉センター条例施行規則(平成16年五島市規則第154号)第4条の規定により、市長の承認を得なければならないが、管理業務を実施する指定期間において承認を受けていないので、適正な事務処理に努められたい。 |
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指導事項 | 講じた措置 |
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ア 委託等の制限について 管理業務の一部を第三者に委託し、又は請け負わせる場合は、食肉センターの管理運営に関する基本協定書第9条の定めにより、事前に市長の承認を得なければならないが、製氷機保守点検及び地下タンク定期点検については、市長の承認を受けていないので、適正な事務処理に努められたい。 |
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イ 緊急時の対応について 食肉センターの管理運営に関する基本協定書第16条第1項は、「乙は、指定期間中、管理業務の実施に関連して事故、災害その他の緊急事態が発生した場合に備え、あらかじめ対応マニュアル等を作成し、対処に関する体制の整備その他の必要な措置に関する事項を定めなければならない。」と定めているが、マニュアル等を作成していないので、適正な事務処理に努められたい。 |
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ウ 指定管理料の精算について 指定管理料は、毎年度、事業報告書のうち、損益計算書を基に算定されている。令和5年度分の法人住民税の確定税額は182,500円であったが、当該損益計算書には法人税、住民税及び事業税として430,000円が計上されている。なお、差額の247,500円は、次年度以降の納税充当金として処理している。 ところで、食肉センターの管理運営に関する基本協定書第7条の2第1項は、「指定管理料は、毎年度、精算するものとする。」と定めているから、法人住民税については、確定税額をもって指定管理料の算定の根拠とすべきである。 |
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指摘事項 | 講じた措置 |
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ア 指示について 地方自治法第244条の2第10項の規定により、市長は、「指定管理者の管理する公の施設の管理の適正を期するため、指定管理者に対して、当該管理の業務又は経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な指示をすることができる。」とされているところ、前指定期間に引き続き、指定管理者に変更がなかったため、1(1) ア・イ及び1(2) ア・イに掲げる事項について何ら指示をしていない。 |
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イ 指定管理料の精算手続について 指定管理料の精算手続においては、仕訳伝票や総勘定元帳を確認していない。実際の管理業務の実施に要した経費にかかる適正な支出額であるかを判断する必要があるので、帳簿及び支払を証する書類を確認すべきである。 |
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指導事項 | 講じた措置 |
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ア 物品の貸与について 市は、2台のフォークリフトを指定管理者に貸与しているが、そのうち1台は使用できない廃棄予定のものであった。指定管理者制度の運用に関するガイドライン (財政課作成・令和5年11月改訂)には、「施設にある市の備品については、協定書等に貸与物品一覧表を添付するなど書面による整理や現物の確認を行う。」と記載されており、食肉センターの管理運営に関する基本協定書第14条第1項は、「甲は、管理業務の実施に必要な甲の所有に属する物品について、乙に無償で使用させるものとする。」と定めているから、市は、貸与物品一覧表を作成し、管理業務の実施に必要な物品を整理すべきである。 |
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意見
株式会社JAごとう食肉センター
経済的な運営について
管理業務の実施に当たって、再リース期間が10年を超えるものが複数件確認された。リース期間が長期にわたると、買取りよりもコストが高くなる場合があるので、設備投資時点において、リースにするか、買取りにするかなど、より経済的な方法を検討されたい。
産業振興部(農林課)
別記個人情報取扱特記事項について
別記個人情報取扱特記事項の第12においては、廃止された五島市個人情報保護条例(平成18年五島市条例第3号)を参照している。現在は五島市個人情報の保護に関する法律施行条例(令和5年五島市条例第1号)が施行されているので、同条例を参照されたい。
指定管理全般について
市は、食肉センターの管理の権限を指定管理者に委任しているものの、当該施設の設置者としての責任があるから、市長は、指定管理者に対して必要な報告を随時求め、実地において調査し、常に当該施設の管理の状況を把握しながら、設置目的に沿った管理がなされるよう適切な指示をされたい。その際は、指定管理者制度が、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的としていることに十分配慮すべきである。
また、指定管理者制度においては、指定管理者によるサービス水準の維持と適正な運営の確保が重要であるから、業務の実施内容の点検やモニタリングを実施し、住民サービスの向上及び利用促進に努められたい。
まとめ
令和6年度財政援助団体等監査の監査結果における指摘事項、指導事項及び意見の件数は、次のとおりである。
|
指摘事項 |
指導事項 |
意見 |
合計 |
株式会社JAごとう食肉センター |
2件 |
3件 |
1件 |
6件 |
産業振興部農林課 |
2件 |
1件 |
2件 |
5件 |
合計 |
4件 |
4件 |
3件 |
11件 |
株式会社JAごとう食肉センターにおいては、利用料金等について市長の承認を受けていない事案が散見される。また、令和5年度の指定管理にかかる実績報告書については、管理業務の実施に要した経費にかかる支出額を記載していないから、地方自治法、条例及び協定書に基づき適正な事務処理を行われたい。
産業振興部農林課においては、市長の承認を得るべき事項等について何ら指示をしていないので、指定管理者に対して必要な指示をすべきである。また、指定管理料の精算手続において実際に帳簿及び支払を証する書類を確認していない。
以上のとおり、事務処理や指定管理料の精算手続等に不適正なものが見受けられたから、関係法令、協定書及び指定管理者制度の運用に関するガイドラインに基づき適正な事務処理を行われたい。
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このページに関する問い合わせ先
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郵便番号:853-8501
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ファクス番号:0959-74-1994(代表)