ツバキ原生林
更新日:2020年5月25日
久賀島の植生を特徴づけるものとして、ヤブツバキの自生があげられます。平成21年度に市が実施したツバキ分布調査(コドラード調査)では、久賀島に811,580本のヤブツバキが確認されました。これは、他の島と比べても自生密度は非常に高いものになっています。
久賀島では、ヤブツバキの原生林が2箇所所在します。原生林とはいえ、人跡未踏の原始林というわけではなく、古くから人の手によって保護・管理され、ヤブツバキ以外の樹木を伐採することによって形成されたヤブツバキの純林です。
長浜のツバキ林
久賀島の南東部の海岸に位置し、樹林面積は6,800平方メートルほどです。
やや浅い谷合とゆるい斜面に発達しており、土壌は砂礫が多い土質のため痩せ地であるため大木は少ないです。おおむね幹まわり30から50センチメートル程度のものが大半を占めます。林内の植生は貧弱であり、ヤブツバキの下層には1メートル前後のカクレミノ、ヤブニッケイ、スダジイ、ハマビワなどが広がり、ツバキ林を取り囲む樹木にはフウトウカズラ、イタビカズラ、テイカカズラなどの蔓性植物が着生しています。
亀河原のツバキ林
久賀島の南西部に位置し、樹林面積は6.7ヘクタールほどです。北向きの山の中腹から海岸際まで斜面全体をヤブツバキで覆い尽くした純林です。
海岸に近い周辺部のものは直接強風を受けるためか分枝が多く高さ4メートル前後であり、一方樹林内部のものは直立し、高さ7から8メートルと特に大木はありませんが、幹まわりは平均して45から60センチメートルほどです。
ツバキ林内には他の樹木はほとんどありませんが、下層にはツワブキ、シダ類が一面に広がります。また、管理が行き届かないためか、現在ではツバキ林の大部分をツタカズラが覆い尽くそうとしています。ツバキ分布調査では、約10,000本のヤブツバキが確認されています。
久賀島ではまた、日本に古くから野生していた日本固有の柑橘類であるタチバナ(現在では希少種となっている)の自生が数本確認されています。
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