五島市の取り組み

地域の取り組み

久賀島と奈留島では五島市の他地域同様に、「まちづくり協議会」が設置され、まちづくり活動の一環として、地域の景観保全活動などを主体的に行ってきました。

久賀島においては、まちづくり協議会の設置と同時に、「国の重要文化的景観に選定されている『五島市久賀島の文化的景観』の価値を守るために、久賀島の地域資源を特産品や観光資源として活用し、将来的に島民が主体となって“暮らせるまちづくり”を進めていくための基盤を作ることを目的」として、地域の有志から構成する「久賀島ファーム」が設立されました。
久賀島ファームでは、久賀島の島民の生活、営みの支えとなる活動や久賀島産の農水産物等を活かした特産品の開発、販売などの取組を中心に活動しています。平成28年（2016）2月には、活動実績が高く評価され、「久賀島における重要文化的景観の持続に向けた官民協働のまちづくり」として、久賀島まちづくり協議会、久賀島体験交流協議会、久賀島ファーム、五島市及び活動に携わってこられた大学研究者の方々とともに、平成27年（2015）度九州まちづくり賞（日本都市計画学会九州支部主催）を受賞しました。
平成28年(2016)に旧所有者から土地、建物の寄贈を受けた旧藤原邸は、平成30年(2018)年4月より久賀島観光交流拠点センターとして供用開始され、地元の団体である久賀島ファームが指定管理者として運営をしています。久賀島観光交流拠点センターでは久賀島の観光の拠点として魅力を発信するとともに昼食の提供や物品の販売を行っています。

奈留島においても、まちづくり協議会の設立以前から、地域振興、交流人口の拡大を目指す目的で設立されたNPO法人DONDON奈留が、「五島に来訪する方々に対し、五島の豊かな自然を活用した体験型観光等を通じて交流を図りながら、五島の良さを知っていただくと共に、併せてこれに付随した五島の経済の活性化と新しい経済活動の創出と支援を行い、広く公益に貢献することを目的」として活動しています。以下は主な事業内容。
1 体験型観光ツアーの企画、運営事業
2 体験型観光ツアーのインストラクターの養成事業
3 新しい特産品の開発、援助事業
4 新しい観光資源の創出事業
5 島の景観の保護、整備事業
6 夏祭り等既存行事の支援事業
7 笠松宏有記念館の委託管理事業
8 奈留インフォメーション委託業務
9 イルミネーションコンサート

整備活用委員会

重要文化的景観の価値を守り、伝えることと島内の生活や利便性向上とが相反するものとならないよう、きめ細かい工夫や調整を図ることが大切です。そこで五島市では整備活用委員会を設置しています。
学識経験者、専門家、地域住民、そして行政が区域内で行われる工事に関して、より景観に影響の少ない工法はないか、長い目で見たときに景観をどのように保全していくかなどを協議しています。