「手打ちの椿鯖そば」大河内商店

紹介

 富江町山下地区にある「大河内商店」。昭和38年1月の開店から約58 年、地域に根差した欠かせない存在となっています。3代目の大河内裕哉さんは、高校卒業後島外へ。その後、家を継ぐことになりUターン。当時は小売業だけでしたが、年々人口が減少していく中「何か新しいことをしないと」という思いで、山下の郷土料理「手打ちそば」の販売をはじめることにしました。漁師町だった山下地区では、昔から「鯖だし」が主流。年越しに鯖だしで手打ちそばを作って食べるのがお決まりだそうです。
材料の小麦粉、そばの実、鯖は、全て山下地区でとれるものを使用。最初は近所の方が作ったそばを販売していましたが、高齢化などもあり自分で作ることに。なかなかうまくいかず習得するのに苦労しましたが、その甲斐あって今では人気商品に。多い時は年末だけで1,000玉の注文を受けることもあります。その後、全国販売を目指し長崎浜屋百貨店の催事に出展。今では東京や大阪でも販売しており、リピーターが少しずつ増えているそうです。
 また、「美豚丼」、「椿鯖うどん（ 具沢山手打ちうどん）」、「焼美豚チャーシュー」の冷凍食品も販売。美豚丼やチャーシューは、豚肉が柔らかくなる方法を研究し、知人などの意見をもとに試行錯誤を重ね、約1年かけて完成。ほんのり生姜風味で、甘味のある玉ねぎとこだわりの柔らかい豚肉の相性が抜群です。
 何事も自分で調べて研究し、挑戦を続ける大河内さん。最近では、常温商品「鯖の焼きなめ味噌」を開発。一つ一つ手作業で、50本を5時間かけて作っています。「目標は1か月1,000本。クチコミで流行って、おいしいって言ってもらえれば嬉しい！」とエネルギーあふれる笑顔で話します。

取材・執筆／ライターグループfumoto