崎山の隠れパワースポット「カンメ」（令和3年4月掲載）

今回は、ゲストハウス「キンナゴアジロ」のオーナーで、市内でジオガイドとしても活動している、貞方有美さんにイチオシを聞きました。

貞方さんのイチオシは、崎山の神爪（カヅメ）。通称「カンメ」と呼ばれており、知る人ぞ知るパワースポットです。

箕岳をはじめとする火山群によって形成されたカンメ。ここでは、海に消えた幻の火山の噴火の痕跡や、箕岳から流れ出た溶岩などを見ることができます。それらは海中にも続いており、神秘的な海底地形となっています。

また、波によって削られた火山の一部が防波堤として成り立っている姿や、周辺の地層からは、箕岳、臼岳、そして海に消えた火山、この3つによって箕岳周辺の大地が形成された歴史が感じられます。

さらに、テーブルサンゴ、キビナゴなど、海中に住む生物が溶岩により作られた海底地形と共存している様子はとても神秘的で、シュノーケリングスポットとしてもおすすめです。

火山によってできた地層の美しさと、歴史を経て生息する動植物の生命力を感じられるカンメ。貞方さんがジオガイドを目指すきっかけとなった場所で、今でも度々訪れているそうです。

「島内の子どもたちに、五島のジオに触れてもらったり、楽しみながら学んでもらったりすることが今後の目標です」と笑顔で話してくれました。

貞方 有美さんの紹介

ゲストハウス「キンナゴアジロ」のオーナー。旧福江市出身。大学卒業後、地質調査コンサル会社に入社し、地層からみる台地の歴史や大規模地滑りなどに興味を持つ。現在は、民泊とゲストハウスの経営の傍ら、市内でジオガイドとして活動中。

取材／ライターグループfumoto