時間とともに輝きを変える素敵な場所「半泊の海岸線」（令和3年5月掲載）

福江島は、場所によって異なる海岸線を持つ島です。
大瀬崎の断崖絶壁もあれば、鐙瀬や富江のように溶岩でできた海岸線もあります。そして中でも私が最も好きな場所が、半泊の海岸線です。
3年前、五島高校へ転勤し、福江島に来ました。せっかくなら島を探検したいと思い立ち、時間を見つけては各地へ出掛けました。島では、いろいろな所を経由して海に行けます。福岡の有明海近くで育った私にとって「山を超えて海を見に行く」ことは、新鮮でワクワクしました。
険しい山道を通って訪れた半泊。丸く磨かれた玉砂利が広がる海岸に、透き通った海。初めて見た時、なんて素敵な所だろうと、とても感動しました。 砂利にぶつかると小さくカラカラ音をたて、時間とともに輝きを変えながら透き通る海は、まるで天然の水族館のようで何時間でも眺めていられます。
今私は、五島高校で「バラモンプラン」という授業の一環で、五島の魅力を生徒たちと再発見することに携わっています。授業は外で活動する事もありますが、「海がこんなにきれいだなんて知らなかった」という生徒も少なくありません。
卒業後、その多くが島を離れる生徒たちですが、授業や地域の方との交流を通して、島をもっと愛し、将来の選択肢が広がることを願っています。

松田　加保理さんの紹介

恐竜好きがきっかけで化石や地層に興味を持ち、化学の先生に。五島高校に勤務。総合学習の授業「バラモンプラン」の担当。

取材／ライターグループfumoto