自然が作り出す岩石アートの美術館 登屋ノ首(令和3年8月掲載)
更新日:2021年7月1日
岐宿町川原、白石地区の裏側に位置する静かな集落「惣そう津づ 」。穏やかな港の先から入山し、ゆったりと歩くこと1時間弱。パッと開けた視界の先には、感動の世界が待っています。そこはジオ好きにはたまらない、知る人ぞ知る秘境「登屋ノ首」。断崖絶壁の左手沿岸は、縦や横になった地層がどこまでも続き、自然の偉大さを教えてくれます。右手沿岸には、波や風で侵食され、さまざまな色や形をした岩がゴロゴロ。寝転んでみ
ると、地球の呼吸が直に伝わるような感覚が味わえます。
また、そこから望む山側の景色が壮観。五島列島の基である、露出した五島層群の圧巻の姿に、「すごい!」
という言葉以外出てきません。まるでここは自然が作り出す岩石アートの美術館。何時間でも眺めていられ
ます。
中でも私のイチオシは、タフォニが見られる巨大な岩。平らな側面にハチの巣のような穴が無数にあいて
いる不思議な岩ですが、よく見ると鳥が巣を作っていて、自然界の命の営みを感じます。
タフォニ自体は海の多い五島ではよく見られるそうですが、これほどの大きな落石に見られるのは珍しい
とのこと。山から落下した岩のほとんどが砕け風化していきますが、この岩は落ちたままの姿で長い間ここ
にあったことを物語っています。
私は今、魚津ヶ崎公園の「花笑みきくや」という店舗の運営に携わっていますが、活動の中でさまざまな
人たちとの出会いがあり、五島の成り立ちや歴史に興味を持つようになりました。ジオの観点から五島を見
るようになると、普段何気なく見ていた景色にこんなにもすてきなストーリーがあったのかと、感動と愛
おしさすら覚えます。これからも、素晴らしい五島の魅力を自分なりに発見し、多くの人に伝えていきたい
と思います。
- タフォニ…岩盤の表面にあいた穴のこと。海からのしぶきを受けて、それが蒸発し、塩類が固まる時に岩を壊し、穴があくとされる。


大島 眞由美さんの紹介
地域の女性団体「八咲花」代表。魚津ヶ崎公園内の「花笑みきくや」を活動拠点として、地域の活性化を目指し
奮闘中。フリーハンドのイラストやデザインの特技を生かし、五島弁カルタの絵も担当。
取材/ライターグループfumoto
このページに関する問い合わせ先
総務企画部 政策企画課 広聴・広報戦略班
郵便番号:853-8501
長崎県五島市福江町1番1号(本庁舎)
直通電話:0959-72-6782
ファクス番号:0959-74-1994(代表)