北山 祐志さん

更新日：2023年8月3日

2021年に大阪府から五島市へIターンした北山 祐志さんに、移住したきっかけや移住後の生活の変化についてインタビューしました。

五島市に移住したきっかけは？

海と星が好きで、大阪に住んでいた頃から時間を見つけては車で景色のいい場所に行っていました。そのうち、もっと自然を身近に感じて暮らしたいと思い、離島移住を考え始めました。

石垣島や種子島も検討しましたが、「四季を感じたい」、「地震が少ない地域がいい」といった希望にマッチした場所を探した結果、五島列島（五島市）に辿り着きました。

2021年9月に移住体験ができる企画に参加し、3日間、農業体験をしました。1日中、体を動かす仕事は想像以上に厳しく、農業を仕事にすることは諦めましたが、滞在中にすっかり五島市が気に入ったため、移住を決意しました。

その後、一度大阪に帰り、五島市のUIターン相談窓口にオンラインで移住相談をし、まずは家を探すために五島市の短期滞在住宅を利用することにしました。

それから荷物をまとめたり、手続きを済ませたりして、2021年11月に短期滞在住宅へ引っ越し、家探しを始めました。

移住後の生活スタイル

移住当初は、民家が離れた場所に住みたかったのですが、利用した短期滞在住宅は集落の中にありました。

実際に住み始めると、慣れない田舎での暮らしは戸惑う場面が多く、ご近所の方に助けていただく機会が何度かありました。頼れる方は近くに居ることは、本当によかったと思っています。

短期滞在住宅退去後は、人づてに見つけた空き家に引っ越しました。

今は、ノルディスクヴィレッジというグランピング施設で働いています。体を動かす作業と事務作業が半々の働き方なので、自分にはすごく合っています。

休日は、趣味のボルダリングをしに、島の各地の岩場や最近オープンしたボルダリングジムに行っています。知人を通じて同じ趣味の友人ができたので、情報交換をしたり、一緒にボルダリングを楽しんだりしています。

移住前と後のギャップ

大阪では満員電車に揺られる日々だったので、移住してから通勤途中に見えるきれいな海には感動しています。

それと固定費が安いところも良いギャップです。 特に家賃は、移住前と比べて5万円程下がりました。部屋数は増えたうえに駐車場代も込みの金額なので、本当に助かっています。

また、大家さんから家電をいただいたり、ご近所の方から野菜をいただいたり、様々なおすそ分けをいただける環境でとても助かっています。
初めは、お返しをどうしたらいいかと戸惑いましたが、今はお返しできるタイミングにお礼を渡しています。

移住までに苦労したこと

家探しは時間がかかりました。海に囲まれた島の中でも、「気に入った海の近くに住みたい」という希望があり、いろんな海を見に行きました。

富江にある「多郎島海水浴場」が気に入ったので、車に自転車を積み込み、海水浴場に着いてから自転車で近くの集落を巡りました。 そこで出会った人に「この辺りで家を探している」と伝え、探し続けた結果、芋づる式に情報をいただいて家が見つかりました。特に改修の必要がない住宅だったので、とても運が良かったと思います。

それと、市役所の申請や免許更新等の手続きも少し苦労しましたね。郵送も可能ですが、戸籍謄本は本拠地でしか取得できないので移住前に書類の発行を済ませておけば、焦ることなく、もっとスムーズに手続きを進められたと思います。

移住してから努力したこと

家の中にムカデ等の害がある虫が出現することは、今も慣れないですね。寝るときは蚊帳を使っています。 「田舎は虫のサイズが大きい」と言いますが、身近に“昆虫”レベルの立派な虫がいるように感じます。時期になれば職場の近くでカブトムシ等もよく見かけますよ。

金銭面の変化

移住前と比べると下がりましたが、出費が抑えられるので、貯蓄率は上がりました。家賃は地域によって大きく異なりますが、やっぱり固定費が安く済むところが地方移住メリットですね。

ただ、ガソリン代は本土と比べて20円程高いことは気になります。こればかりは離島なので仕方ありませんが…。

移住希望者へのメッセージ

まずは移住前に一度来てみることをおすすめします。現地を確認して、「やっぱりいい所だ」と思ったら次のステップに進むといいと思います。

また、下見で来ることと実際に住むとでは違うところがあります。 下見は、旅行を兼ねて気候が穏やかな時期を選んでくる人が多いと思いますが、移住が目的なら、あえて真夏と真冬に来るといいと思います。島の暑さ、寒さに耐えられるかどうかも大事なポイントですよ。

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